灰色の人生には何もない
何にも楽しくなくて、ふと感じるのは人生に対する虚無。
ひとときの間、暇(いとま)をやり過ごす趣味なら沢山ある。
お金をどれだけ費やしても、結局はそれだけなのだと痛感する。
熱に浮かれていたあの頃にはもう、戻れはしないのだ。
「あの頃に戻りたい」
既にそんな感情さえも失ってしまったのだろうか。
ぼんやりと、遠くを見つめたところで何があるわけでもない。
私は、こうやって生き続けていくのか。
人はこうして、死んだように生きるのか。
こうはなりたくないと、神奈川を抜け出し見知らぬ地へやってきたはずなのに。
何を、間違えたのだろうか。
私の選択は、いつだって間違いだらけのような気さえしてくる。
「生きがい」と呼べるもののない日々は、あまりにも苦痛だ。
たとえ趣味がいくらあっても、日々を潤すものではないのだ。
体の中で静かに存在を大きくしていく虚無は、少しずつ、ひっそりと私を蝕んでいく。
「死んでしまいたい」
思っていないはずだった言葉が、思わず口をついて出てくるほどに、恐らく私は、参っている。
逃げだなんだと言われても、もういい。